nobody knows diary

神経心理学や言語病理学について、読んだ論文をまとめています。

鼻咽腔閉鎖不全へのアプローチ

福永真哉ら:鼻咽腔閉鎖感覚の運動訓練を中心としたアプローチで鼻咽腔閉鎖不全が改善した痙性ディサースリアの1例.ディサースリア臨床研究,3:21-25,2013

 

鼻咽腔閉鎖不全(velopharyngeal incompetence; VPI)を伴う構音障害例に対して、従来のブローイング中心の運動訓練ではなく、「鼻咽腔閉鎖感覚の運動訓練」と「対照的生成ドリルによる構音訓練」を行ったことで、呼気鼻漏出や発話明瞭度が改善したとの報告。

 

訓練プログラム  週5回(1回40~60分)を約16週間実施

1)VPIに対する訓練

・軟口蓋を凍らせた綿棒で軽擦、アイシングを行い筋収縮を促進した。

・1回あたり3~5秒程度/a:/を持続発声させながら舌圧子で他動的に軟口蓋を挙上。

・16週後からは/a:/の持続発声をしながら自動的に軟口蓋を挙上する運動変更。

➡これらの訓練を1セッションあたり約30回程度の運動を繰り返し、1日2セッション、週5回行った。

2)対照的生成ドリルを用いた構音訓練

・破裂音を中心とした悲通鼻音と通鼻音の音素を含む単語の対からなる対照的生成ドリルを用いた構音訓練を追加した。音響分析ソフトのリアルタイムスぺクトログラムを用いて発生時の鼻音化の有無を視覚的にフィードバックすることで注意を高めた。

 

感想

VPIに対してよく用いられる訓練技法にブローイングがあるが、これはAcademy of Neurologic Communication Disorders and Sciencesによって訓練実施の妥当性が明確に否定されているらしい。勉強していかないと、こちらの領域もどんどん遅れをとってしまうな。