nobody knows diary

神経心理学や言語病理学について、読んだ論文をまとめています。

形と色を認識するしくみについて。

 

小山慎一,河村満:形と色を認識するしくみ.BRAIN and NERVE 59: 31-36, 2007

 

 

大脳の視覚情報処理は腹側と背側に分かれており、

 

背側は、運動情報や位置の処理を

 

腹側は、形や色についての情報の処理を

 

それぞれになっていると言われている。

 

その後、より詳細な研究が進み、腹側経路における視覚情報の処理がさらに外側と内側とに分けられることが明らかになってきた。

 

後頭葉外側部は、物体の輪郭の情報を、

 

後頭葉内側部は、表面の性質(陰影や凹凸、色)を処理している。

 

後頭葉外側部が物の輪郭の処理に関与することを最初に報告したのはカナダのGoodaleらのグループである。

 

彼らが報告したのは、一酸化炭素中毒により両側後頭葉外側部が損傷された症例DFである。

 

DFは図に示された凹凸の知覚は正常にできたが、境界線の知覚が苦手であったという。

 

このような輪郭の処理の障害は、通常の視覚性失認を調べる検査(線画の模写や呼称課題)で検出可能である。

 

一方、後頭葉内側部が処理する表面の性質については、既存の検査バッテリーでは十分に検索できるものがなく、これまでほとんど検討されていないのが現状である。

 

ここでは、色の知覚が障害された2症例(いずれも筆者の自験例)が紹介されており、色覚が障害された世界を写真で再現した研究を報告している。

 

表面の凹凸の知覚についてはRamachandran(1988)の研究がある。

 

彼は表面の陰影を手掛かりに物体の三次元構造を知覚することをshape-from-shading(陰影からの形の復元)と呼んだが、このはたらきは後頭葉内側が関与することが分かってきた。

 

今後は物体の輪郭だけでなく、表面の視覚情報の処理についてもさらなる検討が望まれる。

 

そのために筆者らは、画像処理技術と心理物理学を組み合わせた手法により、表面の知覚の障害の評価を試みているという(Koyama, 2006)(小山, ?)。

 

⦅つぶやき⦆

表面の知覚についての研究はほとんど進んでいないのかぁ・・・。

 

色々な物体の表面を見せてみて、陰影とか、色とかが、どのように知覚されているか、それを調べてみようか・・・。ボソボソボソ・・・。